院長ご挨拶



2008年9月、手術・看護・リハビリが三位一体となった「股関節のトータルケア」を理想に掲げ、全室(15床)を個室にして皆様をお迎えする「増原クリニック」を開設致しました。
開院以来、1300件を超える人工股関節置換手術を手掛けて参りました。スタッフは勿論ですが患者様方がインプラントを大切に扱って下さいますので重篤な合併症もなく痛みから解放された活動的な生活を取り戻して頂いております事は当クリニックにとりましてこの上ない喜びでございます。
今後も工夫を凝らして安全で快適な生活を送って頂けるように支援させて頂く所存でおりますので、どうぞ末長くお付き合い下さいます様、宜しくお願い申し上げます。
増原クリニック 院長 増原建作

経 歴

【出身地】神戸市出身

【学歴】
芦屋市立山手小学校
神戸市立本山中学校
兵庫県立神戸高等学校を卒業後

1981年〜大阪大学医学部卒業
1988年〜大阪大学大学院博士課程卒業

  職 歴
1981年〜大阪大学附属病院
1982年〜大阪府立病院
1983年〜西宮市立中央病院
1988年〜大阪大学整形外科
1989年〜大阪府立病院
1991年〜大阪大学整形外科(助手)
1996年〜大阪大学整形外科(講師)
1997年〜大阪厚生年金病院整形外科部長(2007年12月退職)
2008年〜増原クリニック開設
2012年〜医療法人増原クリニック理事長 就任

認定資格
大阪大学 医学博士
日本整形外科学会 認定医
中部日本整形外科災害外科評議員
日本リハビリテーション医学会専門医
  所属学会
日本股関節学会
日本人工関節学会
中部日本整形外科災害外科学会
日本リハビリテーション医学会
Orthopaedic Research Society




学会発表・論文紹介

学会発表
海外:80編 国内:289編

主な発表
数が多いので2000年以降の学会発表・論文から代表的なものを選びました。
増原建作:教育研修講演「セメントレス人工股関節置換術のコツと落とし穴」第109回中部日本整形外科災害外科学会。奈良。2007年10月。

これは昨年秋の整形外科医を対象にした教育研修講演です。セメント(骨とインプラントを固定するための接着剤です)を使用しない「セメントレス」と呼ばれる手法で長年手がけてきたドイツ製インプラントを上手く固定するコツを解説しました。

Yamasaki S., Masuhara K., Yamaguchi K., Fuji T., Seino Y.: Effect of risedronate on postoperative bone loss after cementless total hip arthroplasty. The 52nd Annual Meeting of the Orthopaedic Research Society, Chicago, Mar, 2006.

これも山崎先生に発表してもらいました。骨を丈夫にする薬が人工股関節手術後の骨の痩せ(骨萎縮)の予防に有効であるという内容です。


Yamasaki S., Masuhara K., Fuji T.: Predictive factors affecting to total blood loss in cementless THA. The 51st Annual Meeting of the Orthopaedic Research Society, Washington DC, Feb, 2005.

長く一緒に働いてくれた(現警察病院)山崎先生に、人工股関節手術後の出血量を減らすことに寄与する因子について発表してもらいました。

Masuhara K, Yamasaki S, Yamaguchi K, Nakai T, Yoshikawa H.: Platelet activation is associated with inducible osteonecrosis in rabbits. 48th Annual Meeting, Orthopedic Research Society, Dallas, Feb, 2002

これは皆さんも御存知の「特発性大腿骨頭壊死症」の病因についての研究成果の発表です。
血小板が活性化されることが重大な影響を与えるというものです。

増原建作:リューベック型人工股関節のコンセプトと臨床成績。第32回日本人工関節学会。名古屋。2002年2月。

これは国内での発表で、数名の発表者が一斉に壇上に上がり様々な議論を展開するパネルディスカッションという形式だったと思います。
私の使用し続けているドイツ製の人工関節についての好成績を解説しましたが、固定力(初期固定といいます)が強すぎると感染を起こした場合などに簡単に抜けるのですかという素朴な疑問を投げかける先生もいらっしゃいました。
勿論簡単には抜けませんので感染防禦対策は大変重要です。

Nakai T, Masuhara K, Kanbara N.: Time course changes of bone mineral density in hemodialysis patients using dual-energy X-ray absorptiometry. 47th Annual Meeting, Orthopaedic Research Society, San Francisco, Mar, 2001

翌年の発表です。血液透析患者さんは股関節など骨・関節の骨量が低下して骨萎縮が進行して問題になることが多いのですが、これを長期間にわたり丁寧に観察し続けて、年金病院に勉強に来てくれていた現市立伊丹病院整形外科の中井部長に発表してもらいました。

Masuhara K, Miki H, Nakai T, Mouri T, Ochi T.: Serum concentrations of MMP-3 and MMP-9 were increased in patients with rapidly destructive osteoarthritis of the hip. 46th Annual Meeting, Orthopedic Research Society, Orlando, Mar, 2000

米国整形外科基礎学術集会(ORS)での発表でした。
ORSは国内の学会に比べると応募しても採択率が低く(判定が厳しく)発表しがいのある数少ない学会です。
「高齢者で急速に進行する股関節障害では骨・軟骨代謝に関連する一部の酵素活性が異常に高くなっている」という発表で、現地での反響も大きかったので、後年、症例数を増やしてしっかりとした論文にしました。


論文及び著書
海外:100編 国内:153編

主な論文
Ikutomo H., Masuhara K., Nagai K., Nakagawa N. : Falls in patients after total hip arthroplasty in Japan. Journal of Orthopaedic Science. 20(4) : 663-8, 2015

開院以来、クリニックのリハビリを支えてくれる生友先生に「転倒」をテーマに調べを進めて頂きました。
研究成果は日本整形外科学会が主宰する英文雑誌に掲載されました。
人工股関節置換術後に転倒(〜骨折)する方々は予想を大きく上回る36%にも昇り、術後間がない時期・色々な薬剤を服用されている方々では特にリスクが高いと結論付けられました。
この論文でも「必要かつ十分量のリハビリ」を励行して頂くことの大切さが浮き彫りになっています。

Nagai K., Ikutomo H., Masuhara K., Yamada M., Tsuboyama T. : Fear of falling during activities of daily living after total hip arthroplasty in Japanese women: a cross-sectional study. Physiotherapy. 100(4) : 325-30, 2014

当時、京都大学大学院で学ばれていた永井先生との共同研究がリハビリテーションの専門雑誌に掲載されました。人工股関節置換手術後の「転倒に対する恐怖心」にはどのような要素が主に関わるかを明らかにして頂きました。
高齢・転倒の既往などに加えて「股関節機能」や「歩行能力」の不十分な回復ぶりが関与するという事実は術後リハビリの大切さを明示しており、当クリニックの掲げる「最高級レベルのリハビリを受けて頂く!」という理念にピタリと一致するものであります。
皆様にも股関節教室でアンケートに御協力頂きました。改めまして厚く御礼を申し上げます。

Satoh M., Masuhara K., Goldhahn S., Kawaguchi T. : Cross-cultural Adaptation and validation reliability, varidity of the Japanese version of the Hip disability and Osteoarthritis Outcome Score (HOOS) in Patients with Hip Osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage 21(4) : 570 - 573, 2013

御報告が遅れましたが、昨年発表した論文です。 股関節の悪い方々に欧米で発展した評価基準(HOOSと言います)を適応して、日本人にも役立つ事を実証しました。 関節症・骨・軟骨の分野ではトップクラスの権威のある雑誌に高く評価して頂きました。 インパクト・ファクター:4〜

Satoh M., Kawaguchi T., Masuhara K. : Risk factors for revision total hip arthroplasty: emphasis on the characteristics of Japanese lifestyle. Arch Orthop Trauma Surg 129 : 1707 - 1713, 2009

コラムでも述べましたが、2009年末に欧州の雑誌に発表した論文です。 人工股関節置換手術を受けた方々にとって和式の生活には危険性が高い事を示した内容です。

Yamasaki S., Masuhara K., Yamaguchi K., Nakai T., Fuji T., Seino Y.: Risedronate reduces postoperative bone resorption aftetr cementless total hip arthroplasty. Osteoporosis Int 18:1009-1015, 2007

最近では山崎先生にまとめてもらった論文があります。新しいタイプの骨を丈夫にする薬は人工関節の周囲の骨に効果的に作用するという内容で、骨粗鬆症関連の有名な専門雑誌に掲載されました。 インパクトファクター:4.5〜4.9

Yamasaki S., Masuhara K., Fuji T.: Tranexamic acid reduces postoperative blood loss in cementless total hip arthroplasty. J Bone Joint Surg 87A: 766-770, 2005

年金病院での人工股関節手術患者さんに貯血が要らないようにしたいという思いから始めた研究です。安くて副作用のほとんど無い薬を上手いタイミングで投与すると手術後の出血量が激減するという内容で、米国の有名な整形外科雑誌JBJS米国版に掲載されました。 インパクトファクター:3.2

Yamaguchi K., Masuhara K., Yamasaki S., Nakai T., Fuji T.: Effects of discontinuation as well as intervention of cyclic therapy with etidronate on bone remodeling after cementless total hip arthroplasty. Bone 35: 217−223, 2004

私が年金病院在職中に是非手掛けてみたいと考えていた研究に「介入試験」がありました。つまり効果が確認されている薬を 途中から飲み始めても効くのか?或いは途中で止めると効果が薄れていくのか?などという試験です。途中から始めても効果はあるし、途中で止めると効果が薄 れるというこの内容は高く評価され、直ぐに無校正でBoneに掲載されることになりました。 インパクトファクター:4〜

Yamaguchi K., Masuhara K., Yamasaki S., Nakai T., Fuji T.: Cyclic therapy with etidronate has a therapeutic effect against local osteoporosis after cementless total hip arthroplasty. Bone 33: 144−149, 2003

元貝塚市民病院の山口部長は、遠い道のりを毎週厚生年金病院に通ってきてくれて私と共同研究を続けました。私の手術した方々に御協力頂き、骨を丈夫に出来る薬剤が、人工関節の周囲にも効果的に働くという論文はBoneに掲載されました。 インパクトファクター:4〜

Masuhara K., Nakai T., Yamaguchi K., Yamasaki S., Sasaguri Y.: Significant increases in serum and plasma concentrations of MMP-3 and MMP-9 in patients with rapidly destructive osteoarthritis of the hip. Arthritis Rheum 46: 2625-2631, 2002

高齢者で急速に進行する股関節症について特殊な酵素が組織や血液中で大きく上昇することを明らかにしました。リウマチの 世界で高名な雑誌に掲載して頂きました。審査委員の先生から統計学的手法について貴重なアドバイスをもらい、この雑誌のレベルの高さを再認識させられまし た。 インパクトファクター:7.5

Rambaldi A., Masuhara K., Borleri G.M., Amaru R., Gianni M., Terao M., Barbui T., Garattini E.: Flow cytometry of leukocyte alkaline phosphatase in normal and pathologic leukocytes. Br J Hematol 96: 815-822,1997

先ほど述べましたが、米国で特許を取得したモノクローナル抗体は、思いがけず整形外科以外の領域で注目されることになり ました。イタリアのガラティーニ博士が、白血病の診断に私の抗体を使用したいと共同研究を申し出てこられ、本論分をはじめ血液学の教科書などにも掲載され ることになりました。 インパクトファクター:5〜

Masuhara K., Nakase T., Suzuki S., Takaoka K., Matsui M., Anderson H.C.: Use of monoclonal antibody to detect bone morphogenetic protein (BMP)-4. Bone 16: 91-96, 1995

ブログでもお伝えした論文です。上述のBone and Mineralという雑誌とBoneという雑誌(共に骨代謝の世界では高名な雑誌です)が合併されることになり、その創刊記念号の表紙を飾ったのが本論文 中の蛍光顕微鏡写真でした。骨を形成する物質に対する抗体を作成し、この物質の分布を調べていきました。骨や軟骨の細胞たちが鮮やかな緑色に輝く姿を見て 感動したのを昨日の事の様に思い出します。 インパクトファクター:5〜

Masuhara K., Suzuki S., Yoshikawa H., Tsuda T., Takaoka K., Ono K., Morris D.C., Hsu H.H., Anderson H.C.: Development of a monoclonal antibody specific for human bone alkaline phosphatase. Bone and Mineral 17: 182-186,1992

米国に留学した私は「細胞融合」という手法に習熟し、様々な物質に対する単クローン抗体を作成しました。まず手がけたの は日本から持ち込んだ高純度酵素に対する抗体で、反響も大きく米国での特許を取るまでになりました。現在も世界各国で使用されているのは製作者冥利に尽き ます。

Masuhara K., Sugamoto K., Takaoka K., Yoshikawa H., Ono K., Morris D.C., Hsu H.H., Anderson H.C.: Purification of bone alkaline phosphatase from human osteosarcoma. Bone and Mineral 3: 159-170, 1987

私が筆頭著者になり書き上げた最初の英文論文です。Bone and Mineralという雑誌に掲載されました。骨に存在する特殊な酵素を高純度に精製する手法について述べました。骨は硬くて処理が難しいためそれまでは高 度精製は不可能とされていたため、注目を集めたようです。1980年代は寝る暇も惜しんで研究に没頭していました。


主な著書
以下は国内で雑誌や教科書に掲載された最近の著作です。
詳細については割愛させていただきますが、股関節関連の依頼原稿ばかりでなく、
内容は「骨折」や「骨粗鬆症」など多岐に及んでいるのがお分かりいただけると思います。

1. 増原建作:骨折治癒と骨成長因子。
越智隆弘他編 New Mook 整形外科 8 : 下肢の外傷 金原出版、221-225, 2000

2. 増原建作、三木秀宣:人工股関節置換術のクリティカルパス。
Journal of Clinical Rehabilitation 別冊:102-104, 2001

3. 増原建作:骨粗鬆症。
谷口直之、米田悦啓編 医学を学ぶための生物学(改訂第2版)、南江堂、288-296, 2004

4. 増原建作:予防法・総論「術中の注意」。
冨士武史編
整形外科手術と肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症―予防・診断・治療マニュアル、
南江堂、51-55 , 2005

5. 増原建作:脊髄・関節後遺障害認定の問題点。
賠償科学33 : 14-17, 2006

6. 増原建作:外科救急処置アトラス「四肢の牽引」。
外科治療 94: 232-237, 2006

7. 増原建作:股関節のきほん「股関節の解剖」「股関節の疾患・用語」。
整形外科看護15 : 10−20, 2010


8. 増原建作:股関節 僕に任せて!股関節に着いてもっと詳しく知りたいと願う方々へ。
三輪書店、2014

9. 増原建作:変形性股関節症に対する手術療法。
中川法一編
トータルヒップケア 股関節 チームで支える人工股関節全置換術
三輪書店、2015


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